captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

ツォツィ

イギリスと南アフリカの合作である。

 

日本では高校生くらいだろうか、ツォツィと呼ばれるスラム街の少年の話だ。

 

ツォツィとは、現地の言葉で「不良」とか「チンピラ」の意味である。

 

彼は孤児で、仲間と共にギャングまがいのことをしていた。

 

ある日、満員電車の中で恐喝をしている最中に、仲間が人を殺してしまう。

 

そのことで喧嘩した彼は、金持ちの女性を銃撃し車を奪う。

 

奪った車には、女性の赤ちゃんが乗っていた。

 

連れ去って世話をするのだが、彼は、殺人未遂、強盗、誘拐の凶悪犯である。

 

似顔絵を元に、手配された。

 

最後には逮捕されるが、赤ん坊を抱く少年一人に対して、数台のパトカーで取り囲み、何人もの警官が銃を構えるのである。

 

南アフリカでは、ああなのか。

 

後味の悪い結末であった。

ゴーストライダー

アメリカの映画である。

 

ニコラス・ケージ主演の、ホラー映画だ。

 

物語は、サーカスのオートバイスタント芸人の主人公が、肺がんに罹った父親を救うために、悪魔に魂を売り渡したところから始まる。

 

ホラーといっても、恐怖映画ではない。

 

どちらかというと、ドタバタ喜劇に近いのではないか。

 

13日の金曜日」のように、突然襲いかかられる恐怖はない。

 

オーメン」のように、背筋が寒くなるような感じもない。

 

悪魔と悪魔の対決なのだが、まあ、言ってしまえば、マンガを実写している感じである。

 

名優、ニコラス・ケージが、よく引き受けたものだ。

 

興行収入が200億を越えているから、成功したのだろう。

ケープ・フィアー

アメリカの映画である。

 

少女を暴行し服役した犯人の、弁護士に対する逆恨みによる復讐の物語である。

 

獄中で学問を積んだ犯人のやりかたは、計算されていて、恐ろしい。

 

犯人役の、ロバート・デ・ニーロは、本当に恐怖である。

 

出所して、弁護士に会いに行き、最初の恐怖・心配を植え付ける。

 

そこから、だんだんエスカレートしていくのだ。

 

見終わった時、疲労感が残る映画である。

 

ちっとも、心地よくないが。

鷲は舞い降りた

イギリスの映画である。

 

第二次大戦中、ドイツ軍による英首相チャーチル誘拐作戦を描いたものだ。

 

チャーチルが、イギリスの片田舎を訪れるとの情報に基づき、ドイツは落下傘部隊を潜入させる。

 

イギリス軍服を着て、軍事演習を装い、その村で待ち伏せしていた。

 

ある日、訓練中に村の男の子が水路に落ちた。

 

それを助けたドイツ兵が水車に巻き込まれたことで、彼らの正体がばれてしまう。

 

作戦に狂いが生じたのだ。

 

この映画では、ドイツ兵は冷徹ではない。

 

暖かく人間味があり、その上で任務を遂行している。

 

次第に追い込まれていくが、観ている側は、ドイツ兵に思い入れしてしまうのだから、つらい。

 

ただ、この作品は、小説の方が面白かった。

 

 

地上最強のカラテ

40年ほど前の、記録映画である。

 

当時、ケンカ空手、邪道空手と揶揄されていた「極真カラテ」を紹介する映画だ。

 

第一回世界空手道選手権大会をメインに据えて、参加する選手たちの練習風景のドキュメンタリーである。

 

私はこの映画が好きで、何度も繰り返して観ている。

 

この頃の日本人選手は、皆、野武士みたいで、格好良かった。

 

命のやりとりをしているような、危険な雰囲気が漂っている。

 

日本選手団ではあっても、トーナメントで戦う敵同士だというギラギラしたものが伝わってくる。

 

今の日本人格闘技選手は、空手もボクシングも総合格闘技も、若手プロレスラーさえ、お洒落で、格闘家ぽくない。

 

バラエティー番組で稼ぐためには、そういう路線で行くのが王道なのかもしれないが。

 

「地上最強のカラテ」では、「命懸け」とか「真剣勝負」という言葉の意味そのままの戦いを観ることが出来る。

 

絆、絆と、何かあれば「絆が大事」の現代では、受け入れられないのだろうな。

 

 

アルゴ

実話を元にした、アメリカの映画である。

 

イラン革命の煽りを受けて、テヘランのアメリカ大使館が襲撃され、職員が人質となってしまう。

 

そのとき、占拠される前に六人の大使館員が逃げ出し、カナダ大使公邸に匿われた。

 

この六人を救出する物語である。

 

CIAは、架空の映画「アルゴ」をでっち上げ、テヘランに撮影スタッフに扮装した職員を送り込む。

 

捕まれば射殺される。

 

六人の大使館員は、何の訓練も受けていない。

 

いつ捕まるか分からない、ハラハラドキドキの作品である。

 

映画は娯楽である、という信条の人には、見応えのある作品だ。

キリングフィールド

アメリカの映画である。

 

ポル・ポト政権下のカンボジアを描いたものだ。

 

主人公は、新聞記者である。

 

クメール・ルージュが大量虐殺を始めた頃、国外脱出を謀るが失敗。

 

農場へ送られてしまう。

 

そこでは、意味もなく人々が銃殺されていた。

 

やがて、脱走するが、途中で力尽きてしまう。

 

そこを、別の農場のリーダーに救われて、彼の為に働くが、素性は隠している。

 

カンボジアでは、知識人は全部殺される運命にあったからである。

 

読み書きが出来る、めがねをかけているというだけで殺された人もいる。

 

せっかく隠していたのに、ある日こっそりBBC放送を聞いているところを見つかってしまった。

 

しかし、リーダーはポル・ポト政権に反対していて、自分の子供を彼に託す。

 

やがてリーダーは殺され、主人公は彼の子供を連れて地雷原を逃げるのだ。

 

この映画は、凄まじい。

 

全編に、不安と恐怖が満ちている。

 

共産主義者や左翼思想の者は、この映画は嘘で固められているという。

 

私は、この作品は真実に基づいていると思う。

 

カンボジアでは、数百万人が虐殺された。

 

ポル・ポト政権が倒れ、平和が戻ってきても知識人が全員殺されてしまっていたので、復興が進まないのだ。

 

この映画を観て、カンボジアで何が起きたのかを知ってもらいたい。